自動車保険の基礎知識

自賠責保険料(2023年度)は年100円~150円値上げの方針

値上げ幅は最大150円の想定

2022年現在、さまざまな物価が上昇するインフレの局面を迎えている日本ですが、自賠責保険も例外ではありません。2023年度から値上げが想定されています。

自賠責保険とは

自賠責保険(共済)は、強制保険とも呼ばれ、車所有者は必ず100%全員が加入しなければならないことが法律で決まっている保険です。車購入時にディーラーや中古車屋さんで、同時に契約の案内がされることがほとんど。

テレビCMなどで見かける民間の保険は、自由保険と呼ばれる、任意保険です。加入してもしなくてもどちらでもOK、まさしく自由。

自賠責保険の補償内容

被害の程度保険金の限度額
死亡3,000万円
ケガ120万円
後遺障害障害の等級に応じて75万円~4,000万円

上記の通り、自賠責保険の補償対象は「対人のみ」です。対物や同乗者については補償外なので、もし相手の車を破損させてしまったりガードレールを破損、もしくは一緒に乗っていた人が被害に遭っても、1円も保険金は出ません。怖いですよね。

こうした怖さ、不安を払拭するためには、任意保険に加入するしかありません。プランによりますが、対物や同乗者はもちろん、「車両保険」といって事故によって自分の車がダメージを受けても、保険金を出してもらうことができます。

詳しくは自賠責保険の保険料・請求方法でまとめています。

ちなみに自賠責保険金額は、基本的には全国同一の保険料ですが、沖縄・離島だけは保険料が異なります。

 

自賠責保険料(2023年度)

自賠責保険の保険料を値上げする改正法が成立

2022年2月25日、「自動車損害賠償保障法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。

これまで以上に

  • 被害者支援
  • 事故防止

恒久的に強化することが決まり、これらの財源として、保険料の一部として徴収する「賦課金(ふかきん)」の上限を引き上げる、という内容です。

なお被害者支援には「療護施設の運営」「介護料の支給」などが含まれており、事故防止には「先進安全自動車の導入支援」などが含まれています。

先進安全自動車の導入支援とは、衝突被害を軽減をしてくれる自動ブレーキ搭載車を新車購入する際に、国が補助金を出すなどのイメージです。

一昔前にプリウスなどのハイブリッド車に補助金を出す「エコカー割り」などがありましたが、それと同様の補助金制度になるかと思われます。

値上げ幅は年100円~150円の想定

この改正法によって、2023年4月より自賠責保険の保険料が、年間100円~150円ほど保険料が引き上げられることが想定されています。

増やした財源を使って、リハビリ機会の充実、より先進的な安全技術の普及(自動ブレーキ搭載車等)をし、被害者や家族が安心して生活できる社会を実現していくとのことです。

ちなみにKPI(数値的な目標)もしっかり明記されています。

・重度後遺障害者へのリハビリの提供に意欲的に取組む病院の選定: 2025年までに10病院
・30日以内交通事故死者数、重傷者数: 2030年までに死者数1,200人、重傷者数11,000人削減(2020年比

引用:自動車損害賠償保障法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案

リハビリ提供に意欲的に取り組む病院、10病院が目標なんですね。

これ日本全国でこの目標数値ってことですよね?個人的な感想だと、とても少なく感じてしまうのですが、どうなんでしょう。

いま保険料を引き上げる理由:2035年に枯渇する恐れ

自賠責保険料は「自動車安全特別会計」に積み立てて運用されているのですが、どうやら現在のままの自賠責保険料だと、2035年、つまり残り13年ほどで財源が枯渇するようです。

交通事故による死亡者数は減っているが、後遺障害者は減っていない。という背景があるようです。

自動車事故件数及び死者数は減少傾向にあるものの、引き続き、毎年新たな自動車事故被害者等となる方が発生するとともに、事故による後遺障害者数は横ばい傾向にある

引用:国土交通省自動車局

自動ブレーキなどによって甚大な被害が起きる交通事故は減り、その結果、死亡者数も減少。ただし、自動ブレーキが作動しても少なからずダメージは受けてしまうので、後遺障害者数は減らない。

ということでしょうか。たしかにこれは今後、日本に限らずグローバルな課題です。

2022年度の自賠責保険料

まず2022年度の自賠責保険の保険料です。

損害保険料率算出機構の2021年1月届出の自賠責保険基準料金表に基づいて、2022年の保険料が定められています。

車種・保険期間12か月13か月24か月25か月36か月37か月
普通乗用車12,700円13,310円20,010円20,610円27,180円27,770円
軽自動車12,550円13,150円19,730円20,310円26,760円27,330円
二輪車(251cc~)7,270円7,440円9,270円9,440円11,230円11,390円
二輪車(125cc~250cc)7,540円9,770円11,960円
原付7,070円8,850円10,590円

 

2023年度の自賠責保険料 ※想定

続いて、2023年度の自賠責保険の保険料(※想定)です。

最大である150円値上げされたと仮定した場合の数値です。2022年度の自賠責保険料にシンプルに150円加算しました。

車種・保険期間12か月13か月24か月25か月36か月37か月
普通乗用車12,850円13,460円20,160円20,760円27,330円27,920円
軽自動車12,700円13,300円19,880円20,460円26,910円27,480円
二輪車(251cc~)7,420円7,590円9,420円9,590円11,380円11,540円
二輪車(125cc~250cc)7,690円9,920円12,110円
原付7,220円9,000円10,740円

年間150円とはいえ、値上げは値上げです。チリツモ(塵も積もれば山となる)で、じわじわと家計を圧迫しないとも言い切れません。

自賠責保険は強制であり、逃れることはできません。料金プランなどを選べるわけでもありません。

一方で自由保険である任意保険は、保険会社や料金プランをそれこそ自由に選べます。自動車保険見積りキャンペーンを活用しながら、お得にプレゼントをもらいつつ、安い保険会社・プランを見つけて、節約できるところはきっちり節約しておきましょう。

 

2024年以降の自賠責保険料

ますます上がる可能性はあります。

世界的なインフレ、円安などの影響により、リハビリ施設の建築・運営費用などが上がり、また財源が枯渇するかもしれないという危機に陥るかもしれません。

2023年に値上がりし、続けて2024年にも値上がり。ということは考えにくいでしょう。

ただし、損害保険料率算出機構の自賠責保険基準料率表のページを見ると、2~3年に1回の頻度で新たな届出が出されています。毎回必ず値上げをするわけではないにしても、2025年もしくは2026年に再び値上げがやってくるかもしれません。

もしかしたら今後数年で「後遺障害者の減少」に繋がるような安全技術(車や道路)が普及し、被害者救済に必要な費用が、今よりも少なっているかもしれません。そのような明るい未来が来るのであれば、しばらくは値上げはないでしょう。

法律によって強制的に入ることが義務付けられている自賠責保険。保険料が今後どうなっていくのかに引き続き注目です。

コメント